しいたけは、食物繊維を含む食品の一つであり、腸活を意識した毎日の食生活にも取り入れやすい食材です。
腸活というと、ヨーグルトや乳酸菌を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、腸内環境を考えるうえでは、腸内細菌そのものだけではなく、腸内細菌の栄養になる食品を摂ることも大切です。
しいたけには食物繊維や多糖類が含まれています。これらの成分の一部は消化されにくく、大腸まで届いた後、腸内細菌との関係が研究されています。
実際に、しいたけ由来の食物繊維や多糖類を用いた研究では、腸内細菌による発酵や、腸内細菌の構成への影響が調べられています。
2024年に発表された研究では、しいたけから抽出した多糖類が、消化酵素や胃酸に比較的強く、ヒトの糞便を用いた体外発酵試験では発酵されることが確認されました。また、発酵によって短鎖脂肪酸の一種である酪酸やプロピオン酸が増加する可能性も示されています。
短鎖脂肪酸は、腸内細菌が食物繊維などを利用する過程で作り出す物質です。そのため、食物繊維を含む食品を摂ることは、腸内細菌との関係を考えるうえで重要です。
また、しいたけ由来の食物繊維を用いた別の研究でも、体外での大腸発酵や腸内細菌への影響が調べられています。
ただし、ここで注意したいのは、これらの研究の多くが、しいたけから抽出・精製した成分や体外試験を対象としていることです。
そのため、「しいたけパウダーを食べれば腸内環境が必ず改善する」と断定することはできません。
しいたけパウダーは薬や整腸剤ではありません。
しかし、普段はしいたけを食べる機会が少ない場合でも、味噌汁やスープ、炒め物などに加えることで、しいたけを食生活に取り入れる方法の一つになります。
腸活のために特別な量を一度に摂取する必要はありません。
大切なのは、しいたけだけに頼るのではなく、野菜、豆類、海藻、穀類など、さまざまな食物繊維を含む食品と組み合わせることです。
しいたけパウダーは、腸活のための特別な食品というよりも、毎日の食事に食物繊維を含む食材を一つ加える方法として考えるのが適切でしょう。
少量でも、無理なく続けられること。
それが、健康的な腸活を続けるための一つのポイントではないでしょうか。
参考文献
1.Simulated human digestion and fermentation of a high-molecular weight polysaccharide from Lentinula edodes mushroom and protective effects on intestinal barrier
Li J.H. et al. Carbohydrate Polymers, 2024. DOI: 10.1016/j.carbpol.2024.122478
しいたけから抽出した多糖類について、人工的に再現した消化過程とヒト糞便を用いた発酵試験を行い、腸内細菌による発酵や短鎖脂肪酸の産生、腸管バリアとの関係を調べた研究です。
2.Structure characterization of soluble dietary fiber fractions from mushroom Lentinula edodes (Berk.) Pegler and the effects on fermentation and human gut microbiota in vitro
Food Research International, 2020. DOI: 10.1016/j.foodres.2019.108870
しいたけ由来の水溶性食物繊維について、消化後の大腸発酵や腸内細菌への影響を体外試験で調べた研究です。食物繊維の構造によって発酵のされ方や腸内細菌への影響が異なる可能性が示されています。
3.Lentinula edodes-derived polysaccharide rejuvenates mice in terms of immune responses and gut microbiota
Xu X., Yang J., Ning Z., Zhang X. Food & Function, 2015. DOI: 10.1039/C5FO00689A
しいたけ由来多糖類を高齢マウスに与え、免疫反応と腸内細菌の構成を調べた研究です。しいたけ由来成分と腸内環境との関係を研究した動物実験の一つですが、人がしいたけパウダーを食べた場合の効果を直接示したものではありません。


